かつては、この地上を飛び交っていたドラゴンの血を引く種族の一つだったが、時代は彼らを淘汰し始め衰退の一途を辿っていた。

 竜人はエルフやロデュウと同じく長寿ではあったがこの世に生まれた存在である以上、滅びから逃れることは出来ない。

 彼らはそれから逃げるように自分たちの住みやすい世界へと移り住んだ。

 そこは普遍の世界であるけれど、時の止まった世界に未来はない。

 そうして長きに渡り遠い過去の栄光と繁栄に思いを馳せた古き者たちは、決して滅びることのない強い仲間を求めた。

[それが大きな間違いだったのだ]

 彼らは、まだ強い力を持つ仲間を無理矢理に交わらせ、近親相姦を繰り返した。

[そのなかで、どれほどの者たちが犠牲となった事か]

 濃くなった血は、人でもドラゴンでもない存在を多く生み出し、それらを闇へと葬っていった。

 言葉にすれば容易いものだが、それは壮絶なものだっただろう。