「どうすんの!? どうすんのさ!?」

「そう言われてものう」

「多勢に無勢」

 為す術もなくあっという間に取り囲まれ、醜悪な群にユラウスとアレサの顔が歪む。

 ヴァラオムはドラゴンへと戻り、眼前のモンスターたちを見据えると、威嚇するように大きく咆えた。

 その声にモンスターたちが怯えてざわつく。

 そのとき、上空からの羽ばたきに顔を上げた。

 モンスターたちは大きく広がり悠然と降り立つ影に場所を空ける。

 見覚えのあるアシッドドラゴンはシレアたちを睨みつけ、その背中にはやはり見知った女がまたがっている。

 赤毛の女は、出会ったときと同じく憎しみを込めた瞳をシレアに向けた。

 それにさしたる感情はなかったシレアだが、ふいに胸が締め付けられる苦しみに顔をしかめる。