「何かこっちに来るよ?」

 ヤオーツェの言葉にウェサシスカを仰ぐと、多きな翼をはばたかせてこちらに向かってくる影が見えた。

 様子からしてリャシュカ族だろう。

 何かを抱えているのか、えっちらおっちらと少しふらつきながら降りてくるではないか。

「セルナクス?」

 親友の姿にマノサクスは目を丸くした。

 浮遊大陸はまだ遠い、さすがにあの距離から飛んでくるのは無理がある。

「はあ、疲れた」

 集落にようやくたどり着いたセルナクスは大きな溜息を吐き出し、抱えていたものを降ろして軽く肩を叩く。

 降ろしたものを見下ろして久しぶりの友に問いかけた。

「元気そうだな」

 セルナクスも久々の友の顔に口元を吊り上げる。