「なるほど、これだけの数がいれば昼間でも充分に攻め込める」

「どっから湧いて出やがった」

 優に千はくだらないと思われる数に顔を歪めた。

「まるで大陸中のコボルドが集まっているようだ」

 どす黒い波がうねるように動く様は、吐き気をもよおす程に悪意を放っている。

「とにかく、ここは死守しよう」

「おう!」

 武器を握り直し、囲むモンスターに飛び込んだ。





 ──シレアの家のダイニングに、大きな地図が広げられた。

 そこに今までの経緯など書き記していく。

「ひとまずは全ての大陸を見て回った訳じゃが、そこから何か見えたかの?」

 問いかけるユラウスに視線を向けず、シレアは地図をじっと見下ろす。

「解らない」

 なんの脚色も無く率直に答えた。