「見張りを増やして対応していますが、畑も荒らされたりして困っているんです」

 なるほど、それで集落に近づいたときに沢山のコルコル族がいたのか。

「相手は、天候すらも操れる力を持っている可能性が高い」

 重々しくアレサが口を開くと、モルシャは険しい表情を浮かべた。

「それよりも──」

 モルシャは吊り上がった目でユラウスを見つめる。

「あなた、古の民なの? ホントにロデュウ?」

 甲高い声をあげてユラウスを見つめる彼女に、一同はがっくりと肩を落とした。

 彼女は遺跡など古いものが特に好きなようで、先の種族であるユラウスにいたく興味を示している。

「実感が湧かないのも無理はありませんね」

「彼女は鋭い勘を持っている。ある程度は我々の感情を察しているのだろう」

「そうでしょうか……」