「あたしが? あんたたちの仲間?」

 神妙な面持ちで聞かされた内容にモルシャは顔をしかめる。

 シーフでコルコル族の自分が何かの役に立てるのか、はなはだ疑問でしかない。

 一人前のシーフになって戻ってきたと胸を張ってはみたものの、村のみんながそれを喜ばないのは知っている。

 解っているんだ。このなかでは自分が異質だということくらい。

 放浪者(アウトロー)に憧れるのも、戦士に憧れるのも、どんなに熱く語ってもこの想いは誰にも伝わらない。

 でも、レキナだけは馬鹿にしないであたしの話を聞いてくれた。

 それが嬉しくて、大きくなったら絶対に旅に出るんだと決めていた。

 なのに、大人になるにつれてレキナはあたしの話をよくないと言うようになった。

 あんなに応援してくれていたのに、どうして?