それをしばらく眺め、マノサクスは一点を示す。

「ふむ。コルレアス大陸のほぼ中心辺りかの」

「南に下ればコルコル族の集落があるよ」

 マノサクスは森に囲まれた大体の位置を指し示す。

 リャシュカ族とコルコル族は昔から交流が盛んで現在もそれは続いている。

「コルコル族の生地はオレたちのお気に入りなんだ」

 着ている服を嬉しそうに示した。

 落ち着いた薄青色のシャツは、丈夫で繊細な作りだと解る。

 コルコル族は手先が器用で、彼らが作る細かな彫刻が施された工芸品は高値で売買される。

 それとは対照的に鍛冶は苦手なのか、あまり興味がないのか、彼らが作っているのはせいぜい包丁や農機具と狩りに使う弓くらいだ。

 その弓も細工が多く、ほとんどが儀礼用か観賞用に購入される。

 彼らは争いを好まず、主食は木の実や果物だ。