「何故ガーゴイルたちが」

 疑問を口にした評議長をユラウスは一瞥し、シレアに視線を移した。

 シレアはその視線に無言で頷く。

「評議長殿」

「うむ? 何かな」

「話すべきかどうか悩んだのじゃが、空までも安心出来ぬとあっては致し方ない。信じるかどうかは貴殿に委ねるとしよう」

 神妙な面持ちのユラウスに、レイノムスも姿勢を正した。