多くの種族を知るシレアは勉強熱心だなとアレサは感心する。

 それが、己を知るためのものであったとしても、世界というものに強い興味を持っているからこそなのだろう。

「しかし、さすがに敵もここまでは追ってはこれまい」

 ユラウスは、遙か上空にまではモンスターを送り込めまいとあごをさすり不適に笑う。

 ヤオーツェはそれに、ミスティローズの瞳を眇めた。

「さっきからなんの話をしているんだい? 敵ってなんなのさ」

 一同は顔を見合わせる。

 そういえば、彼にはまだ話していなかったと苦笑いを浮かべた。

「うむ。その話はあとじゃ」

 二度も機会を逃してしまっている。

 そろそろちゃんと話すべきだろう。