「お願いだよ」

 戻ってきたシレアに懇願する。

「良い機会かもしれない」

「どうイう意味ダ」

「歩み寄りの意思はあるのだろう」

 聞き返したガビアリアンに金緑石の瞳を向ける。

「先頭に立ち、話し続ける覚悟があるならば」

「そんなことだめだ! 無理に決まってる!」

「いつか誰かが勇気を出さねば、解り合う事は永遠に出来ぬぞ。おぬしはそれでも良いと申すのか?」

 ゆっくりと諭すように見つめるユラウスを睨みつける。

「わかり合う? そんなこと、ぜったい無理さ」

 同じ仲間とだって解り合えないのに──ケジャナルは悔しげにつぶやくヤオーツェを見やり、肩を落とした。

「そうダな。この状態ニも疲れてイたところダ」

「ケジャナル!?」