「ほほウ……? 人間ガこの集落に訪れるのハいつ振リか」

「ユラウス殿、アレサ殿、シレア殿です。こちらは長老のリュクシェル」

 リュオシャルが丁寧に手で示しながら紹介した。

「よクぞ来らレた」

 たどたどしい人語でニコリと微笑む。

 おおらかな性格に見合った首飾りは、色とりどりの鳥の羽と金や銀を薄くのばし楕円形にした板をつなげて作られている。

「訊ねたいことがある」

 シレアは一切を包まない物言いで長老を見据えた。

 ここにきてもこの態度とはと、リュオシャルは驚かされてばかりいる。

「シレアと申しタか」

 赤茶けた肌をさすり、ゆっくりとした口調で確認するように見やった。

「あなたが人間を見たのはいつだろうか。この集落にいる者にも訊ねたい」

「長老ハあまり外にお出にならなイ。集落の者ならば、最近でも放浪者(アウトロー)を見ているハズだ」