「最期くらいは、笑って逝きたいものじゃ」

「そうですね」

 いずれはエルフも、そのあとに続くことだろう。

 それを思えばこそ、彼らと共に旅をしている己が何を成せるのか。

 大きな運命に立ち向かうべく選ばれた己の誇りを決して忘れぬよう、アレサは強く心に念じた。



 ──その夜

「今日はわしが火の番じゃな」

「寝るのは勘弁してもらいたい」

「失礼な! あれはちょっとした油断からじゃ。おぬしらはゆっくり寝ておれ」

「それでは、よろしくお願いします」

「うむ」

 ユラウスは胸を張り、たき火に乾いた小枝をくべる。

 ずいぶんと自信ありげだが、本当に大丈夫なのかと不安になりながらシレアは目を閉じた。