「うおっと!? どうどう」

 未だ混乱している馬をなだめ、眼前の存在に目をやった。

「まさか──!?」

 それは馬のふた周りほどもあり、体を覆う乳白色の鱗は天高く昇る陽の光りを受けて輝いていた。

 アレサの頭をひと呑みにしてしまうほど大きな口には、びっしりと並んだ白い牙に赤い舌がちろちろと覗く。

 黄金色の瞳はユラウスたちを見下ろし、背にあるコウモリに似た翼は広げれば本体よりも大きいだろう。

 その雄々しい姿は紛れもなく──

「ドラゴン!?」

 銀の瞳は驚きに満ち、目の前の生物に正しくその名を答えた。