そうして三日後──

「良い天気じゃのう~。航海日和じゃ」

 呑気に空を見上げて発するユラウスを横目に、シレアとアレサはシャーク・スピナー号を見上げる。

 船員が航海に必要な分の荷を積み終わり、乗客たちが船に乗り込んでいた。

 船は幾度もの航海に耐えてきた証を船体に刻み、それが客の安心感を与えている。

 大陸間の航行は上品にはしていられない、無骨な船体は荒々しくも頼もしい。

 美しく装飾された遊覧船のようにはいかないのだ。

「よう、来たか」

 三人の姿を見つけたネドガレルは軽く手を上げる。