「嫌な予感がする」

 口の中でつぶやき、一同はソルデラウスに向けて馬を走らせる。




 ──街に到着したユラウスたちは、その足で「渡し屋」の厩舎(きゅうしゃ)に訪れたのだが、テイマーたちが神妙な面持ちで何やら話し合っていた。

「飛べない?」

「ああ、昨日から大気がかなり乱れていてね。これではいくらワイバーンといえども、人や馬を運ぶのは無理だ」

 赤と青の羽根飾りを左耳に付けた男が腕を組んで応える。

 幾度か試してはみたものの、やはり上空の気流は激しく乱れていて、まともには飛べない。

「シレアの予感が的中したな」

「わしらの行く手を阻むという事は、ギュネシア大陸に何かあるという事かのう」