──騒動も落ち着き、二人はあてがわれた部屋に戻る。
ユラウスとシレアは、溜め息を吐くとベッドに腰を落とした。
「どう思う」
切り出した青年を一瞥し、ユラウスは視線を泳がせる。
「相手の方が、わしよりも早く先を見ている」
「やはりそうか」
苦々しく発したユラウスにシレアも眉を寄せた。
「このまま出る訳にはいかないな」
「うむ……。とにかく、仲間を見つけて説明だけはしなければならんの」
同行するかどうかは本人の自由だが、その者が集落にいる限り攻撃され続けるだろう。
もっとも、集落を離れたところでその者は死ぬまで狙われ続ける可能性がある。
あれを見れば、一人でいる事がどれだけ危険かは明白だ。
「とりあえず、体を休めよう」
「そうじゃな」
二人はベッドに潜り込み、久しぶりの柔らかな感触に浸りながら意識を遠ざけた。