夜行性の彼らは太陽の光を嫌うため、それに似た明かり(ライト)の魔法は効果的だ。

 それを機に、魔法の使えるエルフたちも次々と光球を創り出していく。

 いくら数が多くても、これではたまらないとゴブリンたちは一斉に退却した。

 それを確認しアレサは深い溜息を漏らして剣を収める。

「一体、なんだったのだ」

 息を整えつつ、転がるゴブリンどもの死体を見下ろした。

「近くに棲み家はあるのかな?」

「まさか!」

 ユラウスの問いかけに、アレサは「とんでもない」とでも言う風に肩をすくめる。

 ゴブリンは人間やエルフ、ドワーフにはことのほか敵対的だ。

 とはいえ、何かがなければ群れで襲ってくることなどない。

 もちろん襲われる理由など思いつくはずもなく、エルフたちは皆、一様に首をかしげた。