「親父、お袋、そしてお集まり頂いた僕の出生に関わったみなさん。

先ずは、僕をこの世に誕生させてくれてありがとう!

僕は今、感謝の気持ちで一杯です。

なんかわかんないけど、漠然とだけど、愛されて育ったなって思うから。
生まれて来て良かったって思っています。

成人って言われても、まだ学生だし、独り立ちしたって実感はないけど。
親父とお袋みたいに、早く愛する人を見つけたいなって思ってます。

それは、二人が特別なカップルだってわかる前からずっと。二人は僕の理想の夫婦だったから。

僕自身、まだ混乱していて上手く納得できない点もあるけど。
大丈夫、それほどショックを受けた訳じゃありません。

みなさん、真実を話してくれて、ありがとうございました」


俺はみんなに向けて、素直な気持ちと感謝を述べた。


「じゃ、みなさん、頂きましょう!」


お袋の声掛けで、みんなが料理に箸を付け始めた。