「蜷川、お前もいい身体してんなぁ」



そう声をかけられて振り向くと、そこには汗を拭う新堂先輩の姿があった。


「先輩に言われても、嫌味にしか聞こえませんよ」


先輩こそ……

と、その鍛えられた見事な肉体に思わず目を奪われた。

フェンシング、なんて見た目やわなスポーツと思われるかもしれないが、しなやかな身のこなしと瞬発力を生み出す為には、それ相応の筋力ってもんが必要なのだ。