「それ、嫉妬だわ」


コーヒーの豆を挽きながら、静さんが断言する。
もう、疑う余地もないってう位、男らしくきっぱりと。


「はぁ……」


と大きくため息をついた。


「駄目よ誠君、諦めちゃ。

あんただって随分と魅力的な男じゃない。

あたって砕けろ。
若いんだから、頑張んなさい」

と、目の前に、コトッと音がしてコーヒーカップが置かれた。

立ち上る甘い香り。
最近俺がはまってる、シナモンコーヒーだ。