「静(シズカ)さん、いつもの」


「なんか疲れてるみたいじゃない?」


ごつい見てくれからは想像つかないが、この人、すっげぇ神経が細やかなんだ。
おまけに、すっげぇ勘が鋭いわけ。


「なんか心配ごと?」

「いやさぁ~
俺、なんかヤバイんだ。

どうも、先輩の彼女が気になってさ……」

俺は魔法にかかったように口が滑る。
いや、もう、この人の前では取り繕う必要もないし。


「あら、横恋慕ね。穏やかじゃない話ね」

「いやぁぁ~

二人の仲を邪魔する気はないんだ。

けど……
二人のことを考えると、なんかこう、モヤモヤ、ムカムカするっていうか……」