俺は、憧れの日向さんを抱く新堂先輩を想像して嫉妬しているのか?

いや、それとも……
日向さんを想って幸せそうに笑う新堂先輩に嫉妬しているのか?


俺の怖れていたのは、この混乱だ。


この胸の痛みは、普段の俺には想像もつかない非日常だ。


昨日抱いた女が、今日、他の誰かと腕を組み楽しそうに歩いているのを見たって。

「ごめん、今日で終わりにしよう」

と一方的な別れを告げられた時だって。

俺は感傷に浸ることはあっても、こんな胸の痛みを覚えることはなかった。


それが、俺の日常だったのだから。