「健斗くん?」


健斗くんはまだあたしの腕をつかんだまま歩いてる。背はあたしよりもぜんぜん高いし、力もあるし、なんていうか男の子だなって実感した。



『ごめん。』


「え?」


道を歩きながら、いきなり健斗くんが謝ってきた。

『腕、、つかんでたから、、、』


「ううん、健斗くんかっこいいから、目立っちゃったね!」

あたしが冗談まじりでそう言うと、


『目立ってたのは、麻美ちゃんでしょ?』


「ちがうよー!だって、あたしが行く前から健斗くんの周りにたくさん集まってたでしょ?」


あたしの腕をつかんでいた健斗くんの手はもうあたしに触れていなくて、寂しかった。