「あった…」


【白川 春。よろしくね】



床に寝転がりながら、携帯の履歴を辿り、それを探し当てた。
随分と日付の古いメールに、忘れてた記憶が蘇る。

今から一年前。
私は、あるサイトでシロと出会った。
そのサイトは何の変哲もない、流行りのブログやデコメ、ゲームやチャットなどがあるサイトだ。


そのサイトで私はチャットを良く利用し、様々な人との会話を楽しんだ。
シロもその一人だった。
初めてシロと出会った時の事はもう覚えてないが、とても気が合った事だけは覚えてる。

色々と話すうちに、どんな人なのかと言う興味が湧き、私はシロのプロフィールを開いた。
サイトを利用する際、それは必須で誰もがそれを登録している。


HN シロ
性別 女
職業 学生


やっぱり学生か。そう言ったような気がする。
特別、プロフィールに触れられそうな事も無かったし、同じ女と言う事で更に親近感が湧いた。
それから、日を追うごとに仲良くなり、たわいもない話で盛り上がって、アドレス交換をした後、そのサイトは使わなくなった。





寒い…

もうすぐ冬がやってくる、そんな季節が近付いていた。


私は少しの間だけベッドを借りる事にし、布団に入って再び記憶を辿る。

彼のシャンプーと香水の甘酸っぱい匂いがしていた。