期待して待った食事が、テーブルの上で箸を着けられるのを待ちわびるように湯気を上げていた。
「食べないの?」
「……」
「あぁ、そっか。食べられないか。ごめん」
さっきはそんな気も遣わなかったくせに、シロはあっさりと手錠を外す。
でも、やはり逃がしたくないのか、代わりに新しい手錠を机の引き出しから持ち出し、それを足首に掛け、一方はベッドの脚に掛けた。
「あぁ、やっぱこっちのが都合いいかも」
長い鎖を辿りながら、にっこり笑って見せるシロ。
私は黙って腕に残った痕を見つめる。
不思議と痛みは感じなかった。
感じないと言うより、お腹の我慢が限界に達していたのでどうでも良かった。
「いただきます…」
「召し上がれ」
先に食事を終えたシロが優しく笑う。
初めて見せた笑顔に、私は不覚にもドキリとしてしまった。
自分でも頬が熱くなるのが分かるくらい。
私が食事を口に運ぶと、シロが少し身を乗り出して来る。
彼の目は期待感に溢れていた。
その様子は、子供が初めて親に何かを作ってあげたような、そんな感じだ。
「美味しい」
「でしょ」
期待通りの言葉に、シロは照れくさそうに笑って、それを隠すようにテレビを点ける。
生活音しかなかった部屋が、騒がしい雰囲気に包まれた。
「食べないの?」
「……」
「あぁ、そっか。食べられないか。ごめん」
さっきはそんな気も遣わなかったくせに、シロはあっさりと手錠を外す。
でも、やはり逃がしたくないのか、代わりに新しい手錠を机の引き出しから持ち出し、それを足首に掛け、一方はベッドの脚に掛けた。
「あぁ、やっぱこっちのが都合いいかも」
長い鎖を辿りながら、にっこり笑って見せるシロ。
私は黙って腕に残った痕を見つめる。
不思議と痛みは感じなかった。
感じないと言うより、お腹の我慢が限界に達していたのでどうでも良かった。
「いただきます…」
「召し上がれ」
先に食事を終えたシロが優しく笑う。
初めて見せた笑顔に、私は不覚にもドキリとしてしまった。
自分でも頬が熱くなるのが分かるくらい。
私が食事を口に運ぶと、シロが少し身を乗り出して来る。
彼の目は期待感に溢れていた。
その様子は、子供が初めて親に何かを作ってあげたような、そんな感じだ。
「美味しい」
「でしょ」
期待通りの言葉に、シロは照れくさそうに笑って、それを隠すようにテレビを点ける。
生活音しかなかった部屋が、騒がしい雰囲気に包まれた。

