送信しまし─

そこで画面は真っ黒に塗りつぶされてしまった。


ちゃんと届いたかな?


心配する間もなく、ドアを開ける音がして、シロが顔を覗かせる。

「なんだ。散らかってるかと思ったら、大人しく待ってたんだ」


そこまで幼稚じゃないよ。と言いたかったが、止めて置いた。


「あー、超疲れたし」

そう言いながらシロは、両手にした幾つもの袋を投げるように置き、「だる」と吐き捨て、ベッドの上に倒れ込む。
私は隣り合わせのような近い距離で、シロの頭が見えて不思議な感覚に陥る。

それはまるで、シロに肩を貸してるような、そんな気分。
現実的に、そんな事をしたら彼の首は保たないだろうけど…

そんな無防備な態度が、私の気を緩めていった。



「あのさ…」

「ん~?」

「水…飲みたいんだけど…」

「あぁ…どうぞ」

「………」



突っ伏してるからか、それとも天然なのか、私が自由の効かない体である事に気付かないシロ。
無言の圧力を試してみるも、あっさりとスルー。


監禁して置いて、後は放置プレイか。
私はペットか何かか?
いや、これじゃペット以下だ。と訳の分からない怒りさえ抱いて、何とか立ち上がった瞬間。



「何してんの?」

顔を上げ、不思議そうに私を見てるシロ。


開いた口が塞がらない。とは、正しくこんな状況を指すに違いない。