仕事探し、というのは具体的にどのようにすればいいのかわかりませんでした。

とりあえず新聞を広げると地域欄に三件程の求人広告が載っておりました。
 運が良い! と思ったのも束の間、二件は過疎地での工場勤務。
 何となく「違うな~」と思いました。
こんなに「違うな~」と思ったのはゆずの『いちご』を聴いた時以来です。
 とりあえず残り一件の事務員のお仕事に応募しようと思い、私は電話を掛けました。
「固定観念事務所」

何かしらん、とは思ったもののとくに会社名に気に止めることなく
私は受話器を取ったのです。