「獅子は、どうするのかな。」



ふふっと、一人語散る。



獅子を選んで、すぐに実行に移した王。



その点は評価する。



朝議が混乱している今、逆にそれは活かせるのだ。



清罪宮のことなど、誰が考えよう。



高官たちの関心は、子州にある。



早ければ早い方がいい。



口が口角を勝手に上げる。



容赦はしまい。



自分が不利になることも。



獅子も、手放す気はない。



どんな手で鍵を奪うのか見定める。



くだらない小細工なら、その場で帰らせよう。



部屋に気配が近づいてきた。



―お手並み拝見といこうか。



「どうぞ。」



杜廷尉は、にやり顔を引き締めた。