杜廷尉は、王を待っていた。 意外に早かったと思う。 そう考えて、自分が王に期待していることに気づいた。 初めて見たときは、これが王かと呆れもしたが、帰ってきた王はどうやら見込みくらいはできたらしい。 朝議の馬鹿発言は、相変わらずだが、ちょっとはマシな馬鹿になった。 別人のような、いや、今までが別人だったのか。 だが、杜廷尉にとって、王に何があったかなんてどうでもよい。 自分が計るのは、王なのだ。