雨乞いの経費は、半分が懐へ流れた。 愚かな王だ。 だが、嫌いではない。 お腹をたぷたぷ揺らしながら、満面の笑みを浮かべる。 ―それにしても、死んだというのに、どういうことだろう。 風貌も変わって戻ってきたぞ。 まあ、それも俺には関係がないことだが。 礼の執務室を叩く。 「金大好でございます。」 入れ、と言う王の声が聞こえた。 「何のご用でしょう。」 ―はて、一人か? 王は人払いしているようだ。