駄目だ。 こうなっては伯升は引き下がらない。 「いいんだな?」 伯升が頷いた。 「主上が、お前を脱獄させる。 そして、お前は主上と子州へ向かえ。」 ―は? 一瞬、頭の中がこんがらがって、獅子が何を言っているのかがわからなかった。 「鍵は、主上が持ってくる。 長官からどうにか奪ってくるんだと。」 「馬鹿な…」 「お前と主上とで楊太僕を助け出す。 主上は本気だ。」 張湯は絶句する。 自分の脱獄と楊太僕の救出が繋がらない。