刃物の冷たさが、よりいっそう際立つ。 危険信号が、けたたましく鳴る。 刃物に礼の体温が移った頃、男は唇の片側をあげて笑った。 「退け!」 扉の外で声がした。 礼は、視線を送る。 聞いたことのある声だが、知っているような、知らないような、妙な感じだ。 扉が開いた。 圧迫が消える。