礼が寝ようとしていると、ふと、男が湧いて出た。
―花?
けれど、今晩は女官が来ていたから、そんなはずはない。
二人とも来ることもあるのか、と礼は首を傾げる。
今までそんなことはなかった。
第一、男はいつどうやって入ってきたのか。
男は、花の容姿をしていた。
「花、かしら?」
そう言うと、男は妖しい笑みを浮かべる。
男は優雅に一歩踏みだし、次の瞬間には礼の目前にいた。
近すぎて、男の顔が見えない。
男はそのまま礼の腰をさらうと、礼を寝台に寝かせた。
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