「禁軍は、王あなた一人のためになら、命を懸けましょう。
ですが、楊太僕一人のためというわけにはいきません。」



礼は眉を寄せる。



太尉は、動かす気はないということか。



「しかし…」



「主上、お言葉ですが、楊太僕は即位式にすら出なかった男ですぞ。
庇うことなどありませぬ。」



「王宮を軍があけるというのも危険です。」



「彼の実績を知っていての発言か!」



また官たちが騒ぎだす。