明道は叫んだ。



突っ込んでくる勢いの明道に、門番は慌てて錠を外した。



門番は明道の顔を知っている。



木簡を示さずとも通れた。



王宮が見える。



あそこが終着点であって、そうではない。



これからが戦いだ。



どれだけのものを動かせるか。



国の宝をみすみす死なせたりはしない。



「おい、おい、おい。」



懐かしい声が聞こえた。



獅子だ。



いつの間に、馬は止まったのだろう。



身体が馬を勝手に降りていく。



獅子が何事かを叫んでいたが、明道にはわからなかった。