そうか、王は結末を見ていないのだったと、朱雀は気付いた。



「先ほど、彩夏があなたでないと気付いたと申しましたね。
そのあと…。」



朱雀が再び床に視線を落とす。



「娘にこれ以上罪を着せないため、雉院を刺しました。」



「!!!」



娘を、自らの手で刺したというのか。



礼には衝撃だった。



あの優しい彩夏が。



「あなたが帰ってきてくれて本当によかった。
彩夏までみすみす死なせるわけにはいかない。」



「えっ?」