「王が見つからないと焦っていた時、天から告げられました。
あなたがまだ生きていた、と。
こんなことは天界でも初めてです。
しかし、天の意思は変わりませんでした。
あなたに『王』に、と望まれました。」



「だから、あなたは私を殺さなくてはならなかったのね。」



「私は迷いました。
赤国には王が必要です。
けれど、王を殺してまで“こちら”につれてきてよいものかと。
なにより、私が覚悟できなかったのです。
あなたと、あなたを愛する人に、一生恨まれる覚悟を。」



闇烏に襲われた時、このまま死んでしまえばいいと朱雀は思った。



そうすれば、王はまだ“生きていられる”。



自分の役目から、朱雀は逃げた。



「闇烏に落とされて、私は雉院に幽閉されました。
雉院は、なぜか『星明の国』について知っていて、しかも闇烏を持っていた。
闇烏は、黄国の生き物です。
魂を喰らって生きていますから。
闇烏を使って私を捕らえ、魂と身体が別々の王を作りだしました。
あなたの、いえ飛燕の身体を手に入れようとしたのです。」