丑の刻、花英が潜む茂みの先で、蹄の音が聞こえた。 城外の街道である。 間違いない。 「獅子殿。」 花英は街道に出た。 獅子は花英の方に馬首を回した。 月明かりで、少し汗ばんだ獅子の皮膚が光っている。 驚く様子もなく、近寄ってきた。 影が筋肉の隆起を強調させている。 「よう。 こんな時間になにしてんだ?」 獅子が馬から下りながら言った。 「私は花官ですよ。」 「それもそうだ。」 悪びれる風もなく、ニヤリと笑う。 花英は獅子のそういうところが好きだった。