「眠っている間に尻の痛みも大分退いたようです。
ですから花英殿、お行きなさい。」
「え?」
「行きたいのでしょう?
王のところに。」
花英は何と答えてよいかわからなかった。
王のために花英はここいる。
「行って、王の助けになってください。
それが、私の大切な二人を助けることにもなるのです。」
花英は明道を見つめた。
頬こそ痩けているが、明道の目には強い光がある。
「しかし、わたくしの腕はそれほど役に立ちません。
一体何を…」
「役に立とうとしなくてもよいのです。
行って、そこで考えなさい。
必ず、あなたにしかできないことがあるはずです。」

