「兄貴、そろそろ赤庭団に加わった方がいいんじゃないですかい?」



子州に入ってから合流した弟分だ。



荻青(てきせい)と言う。



荻青は、三ヵ月ほど前から子州に入り、すでに赤庭団に加わっていた。



赤庭団は賊徒の中でも一番大きな組織で、卑劣な狩りをする集団である。



子州に巣作ってから、もはや半年以上経つ。



始めは小さかったが、子州の堕落した兵たちを退け、次々と村町を占拠した。



そしてとうとう子州で最も栄えていた街の一つ、丸葉縷紅も落とされた。



そこには楊太僕がいたという噂があった。



楊太僕は、民のための政治を行う。



“こちら側”に引き入れたい人物でもあった。