「銭はたんまりあるな。この着物なんか、高く売れる。」



伯升が派手な着物を広げながら言った。



「何だか、文句の一つも出ないわ。」



張湯は苦笑した。



「取り敢えず、街に下りてこの一着で必要な物と交換しましょう。
伯升、お前が一番顔が割れていない。
街に行って、食料と着物を揃えてこい。」



伯升は頷いた。



「待て、礼の分もお前が選ぶのか?」



伯升がにやりと笑う。



伯升は朱雀に対して何かと突っかかる。



「私も行く。
私の顔もそれほど知られてはいないからな。」