人気のない街道沿いの森で、馬を降りた。
王がどう降りようか戸惑っている。
「暫くそのままで。
私が手綱を曳きます。」
王は小さく頷くと、背筋を伸ばした。
初めての乗馬とは思えない。
王以外は馬を曳いて歩いた。
伯升が先頭を歩き、朱雀を挟む形で進んでいた。
朱雀の背は、何か言いたそうだ。
だが、こればかりは耐えてもらうしかなかった。
街には行けない。
朱雀当人もわかっている。
そろそろどの町にも手配は回っているころだろう。
「野宿をいたします。
お二人には、耐えていただかねばなりません。」
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