郭丞相は闊達な男だが、頭はきれすぎるほどきれる。



年を取り始めていたが、それでも彼こそが王に相応しいと、楽布は思っていた。



「そう怒るな。
軍は動かんとは思っていたが、あの主上が動こうとは思わなんだ。」



「こうなったのも、あなたに責任はあるのですよ。
あなたなら禁軍を動かすことも、あの場を納めることも出来たでしょうに。」



「買い被りすぎだ。
禁軍は王の軍だ。」



「それでもあなたならできた。」



郭丞相はにやりと笑った。