その瞬間、深紅の刃が闇を切り裂いた。 ―翼… 朱雀の翼だ。 その美しさに、礼も二人も唖然とした。 礼は瞬きも忘れていると、いつの間にか宙に浮いていた。 下では二人が軽々と城壁を登っているのが見えた。 「彼らは血死軍ですから。」 礼の心を読んだかのように、朱雀は言った。 羽音は聞こえない。 背後には、翼を覆うように月が出ていた。