自己中彼氏

あたしは母親に『コンビニに行く』と言い、外へ出た。



「ごめん、ごめん」



春人があたしに謝る。

なんか変な感じ。
春人は自己中だから、自分からは滅多に謝ることないのに。


って、ちょっと失礼か。



「ううん、どうしたの?」



ほんとにどうしたんだろう?




「いや、ちょっとね。少し歩こうか」



そう言って、春人はあたしの手を握って歩き出した。


春人の手の温もりが、すごく温かい。



「どこ行くの??」



「ん?秘密」



春人はただ前を見ながら、歩き続けた。


どこに向かってるんだ?

今春人がなにを考えていて



どこに向かっているのか



あたしは全くわからなかった。