自己中彼氏

「さて、本題に入ろうか」



お父様がそう言いながら、あたしに微笑む。


テーブルには、紅茶が置いてある。


メイドさんに頼んで、買ってきてもらったらしい。





どんだけ飲みたかったんだ。




「親父、母ちゃん」



真剣な顔をする春人。


自然とあたしの胸の鼓動が激しくなる。
そりゃ緊張するよね。


結婚の挨拶なんだもん。


「実は、俺と由香、結婚することにした」



しん、静まり返る部屋。



「あのぉ……」



恐る恐る、あたしは喋る。



「許さんっ!」


あたしが喋る前に、お父様が遮った。

『許さん』??


あたしは、今お父様が発した言葉が理解出来なかった。