自己中彼氏

なんとか螺旋階段を上りきり、目の前に広がるシャンデリア。



一体、いくらするんだ。

といくらいのゴージャスなシャンデリア。
ダイアがあちらことらにくっついている。



春人って、いつもこんなとこに住んでんの??


クラクラする……


「あら、お友達?」


あたしはハッ、と我に返り、声がした方に視線を向ける。


「友達じゃないよ。俺の彼女」


春人はあたしの肩に手をのけって言う。


「こ、こんにちはっ」


あたしは急いでお辞儀をする。


「いえいえ、あなたが春人の彼女さんね。春人からはいつも話しは聞いてるわ」


優しく微笑みながら、女性が言う。

あたしはこの人は誰?という視線を春人に向ける。
それに気付いたのか、春人はこう言った。


「俺の母ちゃん」



春人は『母ちゃん』という女性を親指で指しながら言った。



そして、春人のお母様はお辞儀をした。



「どうも。春人の母です」


すごく綺麗で、まさに『セレブ』のオーラを漂わせていた。