この気持ちの向こうに

『藍、終わったぞ~。』

『まだか~?』

『らーん?』

『おせぇよ!』

うわぁ・・・ぜってぇ怒ってる・・・

下の方に進んでいくと最後のメールの題名に緊急と入っている。

『わるい藍!親父が帰ってくるから迎えにいかんとアカンくなった!すまんな!』

飛鳥が謝ってどうすんだよ。

悪いのは全てアイツ・・・

藤堂功基だ。

ぜってぇしめてやる。

俺は心に殺意を持ちつつ、痛い腰を支えながら家まで帰った。

ベットに入って寝ていても藤堂に触られた場所がうずいて仕方なかった。

なんでだよ・・・あんなことされたのに。

なんでまだ体がうずくんだ・・・?

ベットの中で1人、丸まっていた俺だった。




~翌日~

昨日の腰の痛みが残りつつも学校へ登校した。

教室に入ってあたりを見回したがアイツの姿はない。

・・・くそっ・・アイツ、いねーじゃねーか・・・

そう思いながら自分の席についたとき、後ろから飛鳥の声が聞こえた。

「藍!!!」

「飛鳥!」

俺の両頬を持って横に引っ張る飛鳥。

「昨日はどこにいたんや~?待っててんぞ~」

相変わらず手を離さない飛鳥。

「ふぉっふぉふぉうふぃふぁふぁふぇ」

いちよ、『ちょっと用事があって』と言ってるつもりな俺。

「へ?なんていっとんのや?」

飛鳥の手を引っぺがすと両頬を押さえながら俺は涙目で言った。

「だから、ちょっと用事ができて・・・」

そう言いながら飛鳥を見た瞬間。

飛鳥の後ろの入り口付近にアイツの姿を発見した。

「ああーーーーーーっ!!!」

大声で叫んでしまった俺。

その声に気づいたのかこっちを見て微笑する藤堂。

「ちょっとごめん。」

「え?」