きっかけ、クリスマス。


仕事用のメロディなのは当たり前、相手は昔の同僚だったからだ。

口の巧さで営業成績が良く、上に引き抜かれた俺を
妬みもせず、
からかいもせず、

一言だけ言ってくれた恩人。

他の同僚達は、陰で色々言う中この男は晴れやかに笑っていた。今でも俺の良き理解者だ。

「で、用事は?」

そう問いかけた俺に、向こうでアイツは笑いながら答えた。

今日はクリスマス、なのに特別感もなくまるであの時と全く同じように。

"今日、飲みに行こうぜ"