きっかけ、クリスマス。


そう結論を出すと、その変な人から離れて帰りを急ぐことにする。

「あっ…」

電話、忘れてた。

足早に歩きながらも鞄を探ると、コンビニで買ったおにぎりの隣に携帯を発見。

慌てて、履歴から選んだ番号に電話をかけた。

「…もしもし、おじぃちゃん?うん、塾終わった。今から駅に行くね。」

急がないと。
今日は寒いから、おじぃちゃんも凍えてる。

綺麗なショーウインドウ、並ぶケーキ。

ケーキくらい…買おうかな。

そんな小さな気持ちを、ぐっと堪えて前を向いた。

僕には、そんな暇がないから。